般若心経画〜十二支〜
十二支を手掛ける前に、2匹の生き物を描きました。
2019年 台日芸術博覧会に出展した『白蛇』。これは、台湾でも白蛇は縁起の良い生き物であったため、モチーフにしました。
2019年 OASIS2019~Osaka & Paris~展に出展した『雄な鶏』これは、フランスを象徴する生き物が雄鶏だったため、モチーフにしました。
どちらも展示用に書き下ろしたのですが、ここで何か気づきませんか?
そうです、どちらも十二支に入っている神様に似ているのです。
「シリーズ作品を手掛けることは、絵描きにとって大きな成長になりますよ」と、恩師のように慕っている先輩画家からのアドバイスもあり、およそ2年かけて十二支制作に取り組みました。
“同じレベルをキープして傑作を12枚描く”
当たり前のことですが、これが最も困難で一番大切にしたことです。
1枚目と12枚目に大きな差があってはならないのです。
はじめてのシリーズものでしたので、描き始めはスムーズにいきませんでした。
先ずは紙のサイズです。
大きくても余白が出過ぎたり、小さくても入り切らなくては意味がないし、何より統一感がなくては意味がない…。
では、十二匹様の構図を一気にイメージしましょう。
いやいや、描き始めるまでに諦めてしまいそうだ…。
そうだ、先ずは1枚描こう!
そうして子年様を描こうとしても、気後れしてしまい何枚も失敗ばかり。
仕方ない、感覚と紙のサイズやボリュームを知るために、全く違う生き物を描こう!
そうして「般若心経画〜YESさん〜」が生まれました。
YESさんは『大丈夫!十二支は達成できるさっ!』という自分へのエールが如実に出ている作品となりました。遠回りをしまししたが、こうして、やっと子年様が仕上がりました。
あと十一匹様…
先が見えない不安と、気力、体力、忍耐力が続くのか…幾度となく空を仰いだものでした。
しかし、完成した四匹様を並べてみたときに、不安が一転、情熱に火がつきました。
十二匹様を揃って展示したい!
描き進めるうちに、展示の仕方や展示だけでいいのかを考えるようになりました。
十二支は、年毎交代制で1年を守ってくださる神様です。そして、ひとりひとりをお守りしてくださる神様でもあります。数回の展示で果たして終わらせていいのか…。
十二匹神様を描いて終わりにしてはいけない!
私はもっと多くの笑顔を増やしたいんだ!
多くの笑顔増やすために、十二支神様をどうしたら良いのかを考えて、私の情熱がアップデートするのでした。